光を失ってしまったチョリップ村は、すっかり活気がなくなってしまいました。
代表者たちはすぐに話し合いました。そして女王様が大切に大切に育てた5歳の王子様を王様にすることで、みんな合意しました。
王様の就任式の日
代表者の一人が「いつまでも悲しんでいたら、女王様も悲しんでしまう。女王様のためにも可愛い王様と、【お約束の書】を大切に、みんなで協力し合って、また活気あるチョリップ村にしていこう!
みんなが幸せに暮らすことで、女王様も安心できるんじゃないかと、俺は思う。」といいました。
その言葉に、みんな力強くうなずきました。
月日は流れ、チョリップ村は活気を取り戻していました。
可愛いかった王様も立派な大人になりました。
あまりにも豊かに、とっても平和に暮らしていたので、大人たちは女王様のこと、そして【お約束の書】の大切さを、子どもたちに伝えることを
忘れてしまっていました。
もちろん、忘れていないご老人もいましたけどね。
ほんの少数です。
そんな平和なチョリップ村のタンポポ組に、ある日、新しい住人が引っ越してきました。
どっしりとしていて、力持ちで、面白くって、気立てがよくって、誰に
でも親切な新しい住人は、あっ!という間にタンポポ組の人気者になりました。
そしてタンポポ組のみんなに頼まれ、すぐに代表になりました。
タンポポ組での話し合いの日。
新しい住人は、「オラ、いいこと思いついたんだ!それぞれの組が
いろいろなことを競いあえば、この村はもっともっと豊かな村になると
思うんだ!今度の代表者の話し合いでタンポポ組の意見として提案しようと思うんだが。どうだろう?」といいました。
【お約束の書】など、まったく忘れてしまっている村人たちは、
「それは面白い!」「いい案だ!」などと、ノリノリです。
そして、代表者の話し合いで、新しい住人は、「どの組が一番豊かで幸せか、競い合おう!競い合うことで、他の村から羨ましがられるほど、チョリップ村は便利になるぞ!」と、少し興奮気味に話し始めました。
「オラはこの村に越して来られたことに、本当に感謝しているんだ!
みんなとても優しくて、こんな俺でも、受け入れてくれて・・・
だけど、この村は平和すぎてワクワクドキドキ感がねえと思わねえか?
オラはもっとこうワクワクドキドキしてえし、みんなもきっと楽しくなると思うぞ。」
ここでも【お約束の書】など、すっかり忘れてしまっている、代表者たちは「それは面白い!」「いいね!いいねぇ~♪」と、みんなノリノリです。
つづく (クリックで10ページ~)
0 件のコメント:
コメントを投稿