2013年12月25日水曜日

新作:チョリップ村の「お約束の書」の物語1~4ページ

チョリップ村の「お約束の書」の物語も無事完成し、原画展、そして無料配布の冊子も出来上がってきました^^)ノ

すこしずつ、お話を載せていきたいと思います。


おとぎの国に、チョリップという名の村がありました。

チョリップ村には、誰もが信頼し、誰もが慕う女王様がいたそうで、村人たちは安心して心穏やかに、のんびりと暮らしていたということです。

そんな平和なチョリップ村ですが、王様の時代はあちらこちらの村と
争ってばかりで、たくさんの村人がその争いに巻き込まれ、命を落としていました。

ある夜のこと、重大な知らせがお城に届きました。
その知らせに驚き、急いでお城を出た王様は、城の入り口で待ち伏せしていた何者かに刺され、帰らぬ人となりました。

王様を失った村は、すぐに降参し、全ての武器を捨てました。
そして、こんな悲しみを二度と繰り返さないために、争わないことを宣言したそうです。

王様の不幸にも気丈な振る舞いで、みんなを安心させたお妃様は、
女王様になるとすぐ、村のために命を落とした村人の家をまわり、その
家族と一緒になみだを流されたそうです。

深い悲しみに潰されそうだった村人たちは、慈愛に満ちた女王様のお心に触れ、その悲しみを乗り越えることができました。

王様の死から数ヶ月がたったころ、女王様は村人たちにある提案をしました。
「これから新しい村づくりをするために、まずは村を七組にわけたらどうかしら。そして、それぞれの組の代表者を決めるの。代表者は自分の組の意見をまとめ、持ち寄り、代表者だけで話し合いをしたらどうかしら?そうすることで、村人たちの意見を取り入れた、生活しやすい村になるんじゃないかしら。」
女王様の提案を受け、村人たちはすぐに行動に移しました。そして、何度も話し合いを繰り返し、いくつかの決まりごとを作り、それをまとめたそうです。


これがその決まりごとをまとめた【お約束の書】です。

すべての村人は、みな平等である
すべての人は、自分の考えを自由に発言できる
人の意見は必ず最後まで聞くこと
どんなことでも話し合いで決めること
話し合いの場では、お互い意地をはらず、譲り合うこと
すべての人は、自分のやりたい仕事を、自分で選べること
悪いことをした人は捕らえられ、罰を受けること
武器を持つことを禁止し、他の人と戦わないと誓うこと
子どもはみんなで守り、村人全員が子育てに参加すること

村の合言葉は「自分を認め、全てを認め、愛のある村づくり」に、決めたそうです。

この【お約束の書】を、とてもとても大切にしながら、暮らしていくうちに、チョリップ村は、みんなが認め合い、許しあい、争うこともなく、安心して子育てのできる村になりました。

生まれ変わったチョリップ村は、村人たちの笑顔であふれていたそうです。

そんな幸せな、心躍る毎日が、当たり前に過ぎ去っていきました。


小鳥たちのさえずりが響きわたる静かな朝のことです。
チョリップ村に悲しい知らせが届きました。

女王様が突然倒れ、そのまま天の国へ旅立たれたというのです。

村人の悲しみは深く深く、「もう二度と立ち直ることなどできないのではないか」と、国中が心配するほどでした。


つづく(クリックで5ページ~)

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